Ryota Blog

日々思ったこと、感じたこと。

日本人は礼儀正しい??

 

アメリカ留学から帰ってきてからバラエティ番組を尽く見なくなった。
人をこけおろし、バカにして笑い者にするというのがどうも気持ちが悪く感じるようになった。
個人が個人として認められること、体型や人種やカラーや宗教などなどがその人のもつギフトとして尊重されることが当たり前のアメリカで生活したことで、日本の"違うことを笑う文化"が本当に胸糞悪く感じるようになった。

アメリカでは色んなバックグラウンドを持つ人がいて違うことが当たり前でそれを"個性"として尊重しあい、時には"強み"という自分の武器に変えて違うことを認め合うというのが当たり前だった。
僕自身、遠いアジアの島国日本出身で英語も"それなりに"の程度のマイノリティーだったけど、それでも僕の英語や僕の出身地について面と向かって悪くいう人はいなかったし、ましてや笑って馬鹿にする人なんかいなかった。
僕が話し始めると耳を傾けて聞いてくれて、僕の言いたいことが伝わらなければしっかり聞き返してくれる。
僕が留学生でお客様みたいな立場にあるからそうっていうわけじゃなくて、誰に対しても面と向かって接するときは本当の意味でリスペクトしあって接することが当たり前だというような文化土壌がアメリカにはあった。
その環境では安心して自分の意見を言うことができたし、僕はそれが好きだったな。
自分がRyotaとして、アジア人としてでも留学生としてでもなく"Ryota"として尊重されていることが本来はスタンダートなのかもしれないけど嬉しかった。

一方、日本に帰ってきてバラエティ番組を見て嫌になったこと。

[帰国子女タレントのネイティブライクな発音をなぜ笑う?]
これはアメリカに行く前にもちょっと感じてたことなんだけど、なぜ帰国子女タレントが番組中に英語の単語をいわゆる"いい発音"で発生したときに他のタレントは寄ってたかってその発音を「腹立つわ〜」や「アメリカ気取ってるわー」などと言ってバカにするのか。
その帰国子女タレントはなにか間違ったことを言っているのだろうか?
ネイティブライクな発音は笑いに変わるようなおもしろいものなのだろうか。
モノにはそれぞれ名前があって、その名前に応じて音声が与えられる。
例えば僕も「りょうた」という名前でそれは「りょうた」と発音する。
これが僕の名前だから。
それを仮に「ポチ」であるとか「ケン」であるとか発音されるとそれはそれはいい気持ちはしない。
僕の「りょうた」という名前には「りょうた」という音声が与えられてるから、これを勝手に「ポチ」という音声にすり替えられた日には黙ってないだろう。
ちなみに僕の名前の最初の「りょ」、この音はアメリカ英語にはない音のようで初対面の全員が発音に苦労していた。
頑張って発音してくれるのだけどどうしても「ようた」や「じょうた」と聞こえる音しか出なかった。
まあ言語によって使う音も違うから当たり前といえば当たり前か。

話が逸れたが、つまり言いたいことはモノの名前にはそれに合った音声が当てはめられているということだ。
帰国子女の彼ら彼女らにとって"dog"は"dog"であり"dog"と発音されるべきもの、決して"ドッグ"ではないということだ。
"dog"は"dog"と発音されて初めてその意味を持ち、逆に"ドッグ"と発音されればそれは彼ら彼女らにとっては"dog"ではなくなる。
帰国子女である彼ら彼女らがそのモノの名前を本来の音声を使って発声しただけなのにそれをなぜか「腹たつわー」「気取ってるわー」とバカにして笑いを取るバラエティ番組にはほとほと嫌気がさした。

[海外出身者の片言日本語をなぜカタカナ表記にするのか]
よく海外出身の人に街頭インタビューをするなどという企画がバラエティにある。
その時、画面に出ている字幕なのだけども、カタカナ表記になっていることが多い。
なぜ同じ日本語を話しているのに海外出身者の話す片言の日本語はカタカナ表記にするのか?
違う言語を話しているわけではない。
日本国籍保持者が話している日本語も海外出身者や旅行者が話しているのもどちらも"日本語"であることに相違はない。
発音が訛っている日本語は日本語じゃないのか?
日本語だ、正真正銘。
なのになぜかそういったインタビューなどでは字幕がカタカナになっていることが多い。

なぜだ?

日本語を勉強し日本語を人前で話している海外出身者を"異質なもの"として、それもポジティブな意味ではなくネガティブな意味としてバカにした最悪なものだと思う。
考えてみてほしい。
あなたが今、異国でインタビューを受けて曲がりなりにもその国の言葉で受け答えしたのに、テレビの放送を見ると、自分の発言はその国の文字ではなくただの発音記号にすり替わっており、スタジオはあなたの発言内容ではなく、うまくない発音について笑っている。
考えただけでも怒りを通り越して悲しい。
せっかく勉強して、苦労して習得した外国語を笑いの種にされる。
こんな仕打ち、僕は耐えられない。
単なる人権侵害だ。
こういったバラエティを作るやつらは自分たち以外を、人間だとすら思わないのか?
笑いのためなら、評判のためなら人権なんてどうでもいいのか?
日本人の人権意識の低さが露呈している部分だなと感じている。

以上2点を含めて、日本人の人権意識の低さが垣間見える場所の1つがバラエティ番組だと僕は感じる。
他人の体を痛めつけさせ、相手をコケにし、プライベートに口を出す…

よく「日本人は礼儀正しい」なんていうけども、これだけ他者を尊重できない民族のどこが礼儀正しいのか、僕にはわからない。
これじゃあ安心して自分の意見も言えないよ。